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神奈川県小田原市・酒匂川 取水堰補修現場

取水堰の全景


型枠内コンクリートを温風ヒーターで暖める


型枠を取り外した状態



樹脂モルタルを施工している様子


完成後

 写真は73年に神奈川県小田原市の酒匂川に建設された取水堰。この取水堰の土砂吐けと洪水吐けは、長年の土砂の掃流によって磨耗し、鉄筋が露出してしまった箇所が多数あった。
 01年に行った土砂吐け部の床版補修工事では、洗掘された部分に高強度コンクリートを10cm以上の厚さで打設した後、試験的に最も損傷の大きい部分(ゲートから下流480m)に対して、耐磨耗性能に優れたエポキシ樹脂モルタルを施工することになった。使用されたのは「アルファテック645F」。施工中の段階で、その優秀性が認められたことから今回、洪水吐け部800m2でも施工が行われた。
 このエポキシ樹脂モルタルは、靭性の大きいエポキシ樹脂にフィラーとして高硬度のガーネットを配合したもので、耐磨耗性・耐衝撃性に優れ、水中でも硬化する特徴がある。当初はトンネルのインバードの補修用として開発された。
 施工ではまず、水を堰き止めて劣化の激しい部分を10cm以上はつり、補強鉄筋を取り付けた。その後高強度コンクリートを打設して下地を作り、その上に耐磨耗性エポキシ樹脂モルタルを施工した。
 樹脂モルタル工事では、橋脚との打ち継ぎ部と伸縮目地部の止水を行った後、高強度コンクリートのレイタンス処理と付着力増強を図るためにサンドブラストを行った。そして、コンクリートの表面と使用する材料を加温してから、樹脂モルタルを打設した。
 今回の施工は1月から2月の厳冬期であったため、エポキシ樹脂モルタルを寒冷地用に改良した。また、コンクリート表面と材料を加温することで養生期間の短縮を図り、大幅な工期の短縮が実現した。今年は暖冬であったため鮎の遡上が早まることが予想されたことから、発注者側から工期の短縮が要請されていた。
 今回は、昨年施工された土砂吐け部の点検作業も併行して行われたが、表面仕上げのエポキシ樹脂層(0・2mm)が磨耗してモルタル層が露出した部分は、全体の約2%と極めて少なかった。また、伸縮目地や施工ジョイント、既設コンクリートとの打ち継ぎ部などに割れもなかったことが確認された。
これらのモルタルの磨耗試験は、電力中央研究所のO式スリヘリ試験機で行われた。供試体をスリヘリ試験機に取り付け、内部に直径19mm、長さ40mm、質量95gの炭素鋼性シルベップを20個入れて、毎分5リットルの水を供給しながら1、3、6、8時間にそれぞれ供試体の重量を測定する。
 「アルファテック645F」エポキシ樹脂モルタルは、普通コンクリートと試験開始8時間で比較した場合、240分の1の磨耗量であった。