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マスコンひび割れ 従事者の9割意識 (2005 08/08)
 日本コンクリート工学協会(JCI)は3日、東京都千代田区麹町の同協会会議室で「マスコンクリートのひび割れ制御方法とその効果」に関するシンポジウムを開催した。「マスコンクリートのひび割れ制御指針」の改定原案作成などを目的とした、マスコンクリートのひび割れ制御に関する研究委員会(委員長=佐藤良一広島大学大学院教授)の中間報告(温度ひび割れアンケートの取りまとめ結果)を兼ねたもので、一般からの論文・報告とパネルディスカッションが行われた。

 「マスコンクリートのひび割れ制御指針」は1985年に同協会が刊行。その後、解析技術も格段に進歩し、解析ソフトの普及で事前解析も容易になった。しかし、制御技術の進歩にも関わらず、制御対策が必ずしも効果を発揮していない場合も少なくない。そこで同協会は、温度ひび割れ制御技術の実態把握、指針の改定原案の作成などを目的に委員会を発足。調査、評価、制御、解析の4作業部会を設け、04年4月から2年間の活動を開始している。

 中間報告は発注者、コンサルタント、建設会社、材料メーカーなどの技術者を対象にした「温度ひび割れアンケート調査」の結果を集計したもので、?従事者の意識調査?マスコンクリートの施工実績に関する調査?断熱温度上昇試験に関する調査の3区分に分けて実施した。

 従事者の意識調査では「強く意識している」「よく意識している」が約90%に達し、その理由として「構造性能、耐久性能の低下への懸念」が最も多く、「補修費用の負担」がこれに続いた。また、施工実績調査で「ひび割れ対策」の有無については「対策あり」が63%、「対策なし」が27%。ひび割れが発生した場合の補修の有無も「実施した」が77%、「実施していない」が23%だった。

 シンポジウムには約120人が出席。冒頭、あいさつに立った佐藤委員長は「本委員会は非常に合理的で使いやすい指針の作成を目指している。その一環として各現場等々でひび割れに関する認識を調査した。その結果を報告する」と説明したうえで、パネルディスカッションの目的について「ひび割れ問題は延々と続いているが、なぜこんなに続くのか。発注者やコンサルタント、現場施工者の認識の問題に加え、ひび割れ制御はどこに問題があるのか。設計か施工か非常に不明確だ。こうした問題にも忌憚なく入り込み、良い指針を作る一助にしたい」と述べた。

 一般からの論文・報告は18件で、「物性と解析」「解析と計測」「制御と対策」に分けて行われた。同委員会の中間報告の後、パネルディスカッション「温度ひび割れ―その制御の意義に関する現場の認識」を開催。パネリストは本間淳史・日本道路公団試験研究所橋梁研究室長、藤本吉一・パシフィックコンサルタント交通事業本部保全維持管理室長、田中栄治・清水建設広島支店工事長、川口徹・大林組技術研究所技術管理部長で、発注者、コンサルタント、施工者の立場から活発な意見が交わされた。