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非接触で高精度診断 (2012 01/16)
 清水建設はこのほど、保全工学研究所(東京都千代田区)、倉敷紡績(大阪市中央区)と共同で、コンクリート表層の変状を調査診断するシステム「HIVIDAS(ヒビダス)」を開発したと発表した。2台のカメラで撮影した熱画像と可視画像を組み合わせて解析することにより、劣化状況を高精度かつ効率的に判定できる。

 目視で確認できるひび割れ、鉄筋の露出、遊離石灰などの変状は可視画像で判定し、目視で確認できない浮きやはく離は熱画像で判定するのが特徴。大きい構造物でも地上から撮影するだけで調査が終了するので、足場設置等の作業が不要となり、現地調査の時間を大幅に短縮できる。同社は、高さ8メートル程度のコンクリート壁であれば、調査時間を従来の8分の1程度にできると試算する。

 高解像度のデジタルカメラと高感度の赤外線カメラを使用し、画角を合わせて同時撮影した可視画像と熱画像をパソコン上で重ね合わせることによって、劣化状況を一枚の図面で表示する。画像解析技術により高精度な診断を行うため、調査員のスキルに依存しない診断結果が得られる。

 電子データの管理・活用が容易な点も利点で、数年分のひび割れデータを抜き出して色分け表示し、劣化の進行具合を把握するなど、蓄積したデータを様々な分析に活用することで構造物の維持管理を効率化できる。

 カメラを固定する撮影架台は任意の角度調節、回転に対応でき、システムを構成する各装置は小さくパーツ化しているので人力搬入、現場組み立てが可能。

 同社はこれまでに地下鉄シールド二次覆工、タンク防液堤、護岸など同システムの実証試験を行い、従来の目視・打音調査と比較して、高精度に劣化状況を把握できることを確認している。今後、建物外壁タイルのひび割れや浮きなどの診断にも適用を進めるため、検討を重ねていく考えだ。